「東京にはずっと住みたかったけど、電車が景色を楽しむことのできないただの移動手段になってしまうような東京で、ちゃんと慣れて暮らしていけるだろうか」という小さな悩みにまで、「実際東京に住んで田舎の良さが新たにわかるかもしれないという意味で、東京に住んでみるのはいい」としっかりアドバイスをくれました。こうして東大受験を見据えた本格的な受験勉強を始めたけれど、わたしは最初、学校の先生や同級生に、東大を目指すことをなかなか言えませんでした。高三になって最初に受けた模試で、東大文三は一番悪いE判定、合格可能性20パーセント以下。しかも判定別の人数分布表を見ると、E判定の中でも二つに分かれていて、わたしは悪い方に入っていました。E判定のなかのE判定です。そんな成績で東大を受験することが知られたら、笑われたり止められたりするんじゃないかと怖かったのです。けれど、友達や先生の反応は、予想に反してまったく違うものでした。同じく東大を目指していた友達に告げると、最初は驚いていたけど「いいじゃん!」と笑顔でうなずいて「頼りにならないかもしれないけど、何でも言ってね」と頼もしい言葉をかけてくれました。最初からつまずいて落ち込んでばかりのわたしにとって、彼女は後光がさしているように見えました。