父母面接では今まで熱心に学校説明会に出かけたり、日々受験を念頭において子どもに接してきたお母様は立派な態度で臨まれる方がほとんどですから、差がつきませんが、父親の姿勢と面接でどのくらい答えられるかで評価がわかれます。家庭の教育方針だけでなく、仕事の内容や年収まではっきり聞かれることもありますので、きちんと答えられるよう準備しておくことが必要です。私どもの幼児教室では9月から上・日・祝日を利用して両親面談と模擬テストを実施しております。とくにお父様の面接には力を入れてご指導しているのですが、どなたもはじめは「小学校の受験ぐらいに何で俺が出ていかなくてはならないか」としぶしぶ面接に出ていらっしゃいます。ところが1回目の面接を終えると必ずもう1度お願いしたいと、申し出るのはお父様のほうです。「どんな時にお父様は生きがいを感じますか」という質問に対して「お風呂上りにキューと1杯やる時でしょうか」などと答えるのはもってのほかですし、志望理由や家庭の教育方針などは必ずお父様に質問が来ます。「どうしてこの学校を選びましたが」と聞かれて「うちのが見つけてきましたので」と答えられては困るのです。わずか5分や10分の面接本番でここの家庭で育てられたお子様なら大丈夫と学校側に思ってもらうためには、ご両親の誠実さと謙虚な姿勢が大切ですし、御両親が1つの方向に統一してよく話し合っておくことです。はじめてのお子さんが受験期を迎える頃は、ちょうど結婚して6、7年たち育児は奥様まかせで来たお父様が、お子様のために充分な話し合いをするまたとない良い機会になるはずです。お父様には、ともすると情報に流されあせり気味なお母様を客観的に見て、適切にアドバイスする重要な役割があります。成長したお子さんを相手に、身体をつかった遊びを担当したり、自分の楽しみなゴルフの回数を減らして、自然に連れだし思いっきり楽しい思い出をたくさん作ってあげるのも父親の役割です。受験に成功したご両親が「はじめは受験をするかどうか迷っていましたが、受験を通して家族で協力することが出来ましたし、子どものことをしっかり考える良い機会になりました」とうれしそうに報告して下さったのが印象に残っております。同じ時期に集まる山ほどの願書の添削をかかえて私も、各々のご家庭の特色をしっかりつかみながら、印象に残る願書を作成出来るようにアドバイスするには、毎年20名ぐらいのお子様の面倒しか見られないのが現実です。全員が合格して「おかげ様で子どもが楽しくこの1年間すごせました」とご両親と一緒に喜びを分かちあえる時、子ども達が「小学生になっても先生箱根合宿いこうね」と言われたとき、小さな幼児教室でも先生方とやりがいを感じます。